1月7日に食べる七草粥は邪気を払ってくれる上に胃にもやさしい行事食ですが、
お粥に入っている七草には栄養素がいっぱい含まれているってご存知ですか?
あの草にしか見えない七草ひとつひとつに、ちゃんと栄養素があるなんて
おどろきですね。今回はそんな七草の栄養素と効能や食べ方について
お話ししたいと思います。
七草粥の栄養素は?
七草それぞれに含まれる栄養素にはどんなものがあるのでしょうか?一見本当に雑草にしか見えないものもあって、いったい栄養素なんてあるの?と思ってしまいますが、ちゃんとそれぞれに栄養素があるんですよ。
- 芹(セリ)
- 薺(ナズナ)
- 御形(ゴギョウ)
- 繁縷(ハコベラ)
- 仏の座(ホトケノザ)
- 菘(スズナ)
- 蘿蔔(スズシロ)
セリ科の植物。
βカロテン、ミネラル、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維などを含みます。
アブラナ科の植物。「ペンペン草」とも呼ばれます。
タンパク質、ビタミン類、鉄、食物繊維などを含みます。
キク科の植物。「母子草」とも呼ばれます。
タンパク質、ミネラルなどを含みます。
ナデシコ科の植物。「ハコベ」とも呼ばれます。
タンパク質、カルシウム、鉄分、ミネラル、ビタミン類などを含みます。
キク科の植物。「コオニタビラコ」とも呼ばれます。
食物繊維(栄養素にはまだ不明な点が多いようです)
アブラナ科の植物。現在の蕪(かぶ)のこと。
食物繊維、カルシウム、カロテンなどを含みます。
アブラナ科の植物。大根のこと。
ビタミンC、ビタミンA、鉄分、カロテン、食物繊維などを含みます。
七草粥の効能は?
七草にはたくさんの栄養素があることがわかりました。それ以外にも薬膳効果もありますので、それぞれの効能についても見ていきましょう。
- 芹(セリ)
- 薺(ナズナ)
- 御形(ゴギョウ)
- 繁縷(ハコベラ)
- 仏の座(ホトケノザ)
- 菘(スズナ)
- 蘿蔔(スズシロ)
鎮静効果、利尿作用(むくみ解消)、便秘解消、食欲増進、解熱、貧血予防、痰を鎮める。
生薬として知られています。
整腸作用、眼精疲労予防。利尿作用(むくみ解消)。
扁桃腺や気管支炎の予防、咳や痰を和らげる。風邪の予防。
整腸作用。胃炎。止血作用。利尿作用(むくみ解消)
生薬の葉緑素は昔、歯磨き粉に利用されていました。
胃腸を整える。歯痛。高血圧予防。解熱。
蕪(かぶ)のこと。
根に消化酵素の「ジアスターゼ」「アミラーゼ」が多く含まれています。
消化促進、解毒作用、胃炎予防
大根のこと。
根に消化酵素の「ジアスターゼ」「アミラーゼ」が多く含まれています。
風邪の予防、消化促進、胃もたれ、胸やけ、便秘解消、二日酔い
ざっと見ただけでも、七草には胃腸にやさしい成分や風邪の症状に効きそうな成分がたくさん含まれていますね。お粥は消化にとてもいい食事ですから、栄養素がたくさんの七草を加えることで体も温まりそうです。
七草粥のおいしい食べ方は?
1月7日に七草粥を食べるのは、疲れた胃を休めるという意味合いもありますので、濃い味付けのものより塩で味を付けてあっさり頂くのが基本です。
少し手間はかかりますが、米から炊いた方がうまみが出て美味しくなりますので、米から炊く七草粥の作り方をご紹介します。
また、七草は下処理をすることで、アクを取り除いて青臭さなどのくせが取れますので食べやすくなると思いますよ。
【七草粥の作り方】4人分
米:1合(180ml)
春の七草セット:1パック
水:米の量の5~6倍(全粥)
塩:適宜
1. 米を研ぎ、米の量の5~7倍の水とともに鍋に入れ、30分ほど浸けておきます。
2. フタをして強火にかけ、沸騰したら米粒が踊らない程度に弱火にしてフタをずらして(吹きこぼれ防止のため)60分ほどかけてゆっくりと炊きます。
※途中でフタを取ったり、かき混ぜたりすると、粘りが出てしまうので火加減には注意して下さい。
※大根やカブは刻んでおかゆを炊くときに一緒に入れて煮ます。
3. 米がやわらかくなったら、水気をよく切って、細かく刻んだ七草の葉物を入れます。
5分程蒸らして塩で味をととのえたら完成です。
【七草の下処理】
七草は、アク抜きのため、塩を少し入れたお湯にくぐらせましょう。水に取って水気を絞ってから細かく刻んでお粥に混ぜます。
鍋はできれば、土鍋や深めの厚手鍋で作る方が、熱がじっくり伝わるのでうまみのある仕上がりになりますが、もしなければ普通のお鍋でも大丈夫です。
お粥は米から炊きたいけど、炊いている時間がない!面倒!そんなときは、残りご飯から作る雑炊にしてみてはいかがでしょうか。鍋にご飯と2~3倍の水を加えて煮込み、その後刻んだ七草(下処理後)を混ぜて塩で味をととのえたら完成です。
お粥の味がシンプル過ぎて物足りないときは、梅干しや漬物を添えたり、胡椒やポン酢、鶏がらスープなどで味をととのえてもおいしく頂けます。味を少し足してみると食べやすくなると思いますよ。
さいごに
雑草のように見える七草ですが、栄養素や効能が色々ありました。お正月疲れをしている胃にもやさしい成分がたくさん含まれています。
知らないで食べるより、たくさんの栄養があるんだと分かって食べる方がおいしく食べれそうですね。^^
近頃は七草もスーパーなどで「七草セット」として簡単に手に入るようになりました。七草粥を食べて縁起を担いでもいいですね。