干すことで旨みや甘味、栄養もグンとアップする干し柿。
干し柿が吊るされている風景は冬の風物詩ですよね。
昔から食べられてきた干し柿には、どのような栄養が
含まれているのでしょうか。
今回は干し柿の栄養成分と効能などについてお話ししたい
と思います。
干し柿の栄養成分とは?
干し柿に含まれる栄養素には主に下記のものが豊富に含まれています。
- βカロテン
- 食物繊維
- ミネラル類:カリウム
- タンニン
βカロテンは色の鮮やかな野菜や果物などに含まれている栄養素です。柿のオレンジ色はβカロテンの色なんですね。βカロテンは
体内で必要な分だけビタミンAに変化して、βカロテンとビタミンAの働きをしてくれます。
食物繊維には水に溶ける水溶性と水に溶けにくい不溶性の食物繊維があるのですが、干し柿の場合は不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。
柿の水分が抜けることで実が凝縮しますので、その分食物繊維が摂取しやすくなります。不溶性食物繊維は良く噛むことが多いので、満腹感を得られるようになります。
カリウムは生命を維持するのに大切な必須栄養素ですが、生活習慣や食生活の変化から不足しがちなミネラルとも言われています。カリウムは体内に余分なナトリウムが蓄積されると、体外へ排出する働きがあります。
干し柿が作られる渋柿には「タンニン」と呼ばれる強烈な渋味があります。それは「タンニン」が唾液によって溶け出したものです。
干すとこの渋味は非水溶性(水に溶けない状態)の性質に変わるので、唾液に溶けなくなって渋味を感じなくなるかわりに、甘味を強く感じるようになります。(干し柿はこうしておいしく食べられるようになるんですね。)
タンニンは過剰摂取すると鉄分の吸収を阻害する作用がありますので、貧血を気にしている人は干し柿の食べ過ぎは控えておきましょう。
また、タンニンは胃や腸の粘膜を収縮させる働きがありますので、干し柿の食べ過ぎは便秘の原因になることがあります。胃や腸の調子が悪い時や胃腸が弱い人は干し柿の食べ過ぎには注意しましょう。
●干し柿と生の柿の違い
・生の柿にはビタミンCが豊富に(みかんの2倍ほど)含まれていますが、干し柿にしてしまうとビタミンCが減少してしまいますが、そのかわりβカロテンや、ビタミンA、食物繊維などの成分量が増加します。
ビタミンCをたくさん摂りたいときは、干し柿より生の柿を食べる方がいいでしょう。
・生の柿を食べ過ぎると、体を冷やしてしまう作用があり消化が悪くなったりしますので、胃腸の弱い人などは気を付けた方がいいかも知れません。
また、「干し柿」は干すことにより、体を冷やす作用から体を温める作用に変化します。
そういえば子供の頃、母から「柿は消化に悪いからたくさん食べないように」と言われたことを思い出します。そのおかげで柿は消化に悪いという情報がインプットされているので、食べ過ぎには注意しつつ現在に至っております。
干し柿の期待できる効能とは?
■βカロテンの効能
・強い抗酸化作用で体の粘膜を丈夫にして免疫力を上げる。
・目の疲れ、視力の低下を防いで正常に保つ
・風邪やガンを予防する。
・乾燥肌や皮膚の新陳代謝などの健康維持
■食物繊維の効能
・便秘解消
・食べ過ぎの防止、肥満予防
・大腸がんの予防
■カリウムの効能
・利尿作用でむくみを改善
・動脈硬化、心筋梗塞の予防
・高血圧の予防
・筋肉の収縮を正常にする
■タンニンの効能
・収れん作用によりお肌の毛穴を引き締める
・下痢を改善する
・老化の原因になる活性酸素を防ぐ
・アルコール分解作用で二日酔いに良い
あとがき
干し柿には栄養がたくさん詰まっているんですね。水分が抜けている分とても食べやすくなっています。
糖質もあるエネルギーの高い食べ物ですので、気を付けないとついつい食べすぎてしまいそうですね。
おやつだけじゃなく、お料理の甘味料代わりや疲れた時などの栄養補給にもなりますよ。