毎年やってくる衣替えの時期。
通学途中の学生さんを見かけたりして、
ああ衣替えの時期がきたんだなぁと思ったり、
同時に季節の移ろいを感じますよね。
そんな衣替えの時期と、衣替えが始まった
由来についてお話します。
衣替えの時期はいつ?
官公庁、企業、学校など制服のあるところでは一般的に、
・ 6月1日
・10月1日
が衣替えの時期となっています。
地域などによっては、この時期が一ヶ月ほどずれたり、衣替えの準備移行期間が2週間から1ヶ月程度設けられている場合などあります。
衣替えの時期がきたからといって、その年によって気候の違いもあるので、まだ暑かったり、寒かったりといっぺんにとはいかないものですよね。衣替えの時期=季節の変わり目の目安と捉えたらいいでしょう。
◆衣替えのいい点は?
- 季節を感じることができる。
- 衣類などの出しっぱなし、しまいっぱなしを防げる。(整理整頓ができる)
- 要らない衣類などを断捨離するきっかけになる。
「衣替え」という季節の変わり目の目安になるものがあれば、これから訪れる季節を感じたり、身の回りの整理整頓をするいい機会にもなります。
季節のものがごちゃごちゃ散乱しているお部屋って、だらしない感じがしますよね。
着るもの、着ないものなどの持ち物の把握をして、要らないものは思い切って処分してしまいましょう。お部屋も心もスッキリしますよ。
なんで衣替えが始まったの?由来も知っておこう
「衣替え」の始まりはなんと平安時代までさかのぼります。
【平安時代】
平安時代の宮中行事が始まりとされていて、夏の衣装と冬の衣装を1年に2回着替えることが決められていました。このことを「更衣(こうい)」と定めて、
当時は旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。
ちなみに、この「更衣」という呼び名はのちに、天皇の寝所に奉仕する女官のことも指すようになったため、どちらの呼び名のことを指しているのかややこしくなったようで、「衣替え」という呼び名に変わっていったようです。
この当時の冬の衣装は綿入りのものでした。この綿を抜いて「袷(あわせ)」という裏地付きの着物に仕立てたものが夏の衣装となっていました。
このことから、4月1日の更衣のことを「綿貫(わたぬき)」と呼んでいました。
【江戸時代】
江戸時代になると、1年に4回の着替えが取り決められました。
・5月5日から8月31日まで→「帷子(かたびら)」裏地無しの単衣(ひとえ)仕立ての着物のこと(夏用)
・9月9日から3月31日まで→「綿入れ」表布と裏布のあいだに綿を入れた着物のこと(冬用)
この取り決めは、武士から庶民まで従いました。それにしても、細かく定められていたようですね。季節の気候に合わせるように、着物から綿を抜いたり裏地を外したり、裏地を再び縫い付けたりと、面倒な作業をしていたんですね。
【明治時代】
明治時代になると、和服だけでなく欧米文化を楽しむ風潮から、洋服を着る人が増えていきました。軍人や役人の制服には洋服を採用するようになり、新暦の6月1日と10月1日に「衣替え」をすることが定められました。それがやがて学校などに広まって一般にも定着していったのです。
これらの長い時代の流れがあって、「衣替え」の風習が伝わって現在に至ります。
あとがき
衣替えという風習が平安時代から江戸時代へ、そして明治時代を経て現在も続いています。
季節の入れ替わりを感じることができる「衣替え」。そして身の回りの生活を見直すきっかけにもなっているんですね。
荷物や衣類、この際スッキリ断捨離してみるのもいいですね。