めったに遭遇することがない雹(ひょう)。
寒くない時期に突然空から氷の粒が降ってきたら、驚きますよね。
いったいどういう仕組みで発生するのでしょうか?
雹(ひょう)の発生しやすい時期はあるのか、
雹(ひょう)が降ったときどうしたらいいのかなど
お伝えしたいと思います。
雹(ひょう)が降る仕組み
●そもそも雹(ひょう)とは?・・・積乱雲(夏によく見られる入道雲も積乱雲です)から降ってくる、直径5ミリ以上の氷の粒や氷の塊のことをいいます。
ちなみに直径が5ミリ未満の場合を霰(あられ)といいます。同じものなのに、大きさで呼び名が変わるんですね。
地表付近の暖かい空気と上空に冷たい強い寒気が入り込むと、とても強い上昇気流が生じて発達した積乱雲が発生します。すると積乱雲の中で水蒸気が、小さな氷の粒になって落下し始めます。落下し始めた氷の粒は、落ちる過程で再び強い上場気流によって、何度も上空に舞い上げられます。
これを繰り返しているうちに氷の粒は氷の塊になって、どんどん大きくなっていくんですね。
やがて大きくなった氷の塊は重くなって、強い上昇気流でも舞い上がることができずに地上に落下します。この落下した氷の塊が「雹(ひょう)」です。溶ければ雨になるわけですが、溶けずに地上に落ちるなんて、積乱雲の中ではどんなに大きな氷の塊だったのでしょう。
雹(ひょう)が発生しやすい時期
積乱雲は、地表付近と上空の気温の差が大きくなると発生しやすくなるといわれています。気温の差が大きくなるのは、5月から10月頃でその頃が雹(ひょう)の発生が起こりやすくなっています。雹(ひょう)が降りやすいのは春や秋頃なんですね。
寒い冬は気温差が起きにくく、積乱雲が発生しにくいので雹(ひょう)も発生しにくいといわれています。5月や10月などの春や秋頃に降りやすいのですが、降りやすい時期以外にまったく雹(ひょう)が降らないというわけではないので、気象情報や天候には十分注意してくださいね。
雹(ひょう)が降ったら取る対策
雹(ひょう)が降る時は、とても発達した積乱雲が発生して、激しい豪雨や雷・突風などを伴うことが多いので、以下のように天候が急に変わりはじめたら十分注意してください。
■天候が急に変わったら注意!
・大きな積乱雲が発生してきた
・突然空が暗くなって、冷たい風が吹いてきた
・雷の音がし出した
・雨が降り出してきた
もし、外出先でこのような状況になったら速やかに近くの建物の中に避難してください。
建物の中に避難したら、できるだけ窓ガラスの近くには近寄らないでください。雹(ひょう)が降るときは豪雨や雷、突風が伴う場合があります。何が飛んでくるかわかりませんので大変危険です。
小さくても氷の粒は早い速度で降ってきますので、もし当たってしまったらケガをしてしまうかもしれません。
自宅にいる場合は、カーテンを閉めておくと、万が一ガラスが割れたときなど飛散防止になります。
さいごに
春から秋にかけて降りやすい雹(ひょう)ですが、暑い季節に氷が降ってくるなんて不思議な光景ですよね。
積乱雲には注意して、天候が急に変わり出したら速やかに建物の中に避難するようにしましょう。